9月3日、山梨日日新聞に「別荘地 県の異議を棄却」という記事が掲載されました。これについて「また、県の訴えは認められなかったのか」「裁判費用はいくらかかったのか」などの質問をいただいていますので、経過と合わせてお伝えします。
県の異議申し立てが棄却される
山中湖畔の県有地をめぐっては、長崎知事がこれまでの貸付料が低く適正でなく、県有地を借り受けている富士急行側との契約は「違法無効」だと主張し、同社に対して県が「適正」とする貸付料との差額総額92億円を求め裁判で争いましたが、それまでの契約内容は有効だとして、2023年8月に控訴審で県側が全面敗訴となりました。
その後、県は富士急行側に対して、県有地内の別荘を転貸したり新築する際に、それまでの契約書になかった「承諾料」の支払いの義務があることを主張し、富士急行がそれを認めるまでは別荘の転貸や新築の申請を認めず承諾を保留していました。
これに対して富士急行は別荘のオーナーらに影響があるとして、対象となる61区画について甲府地裁に仮処分を申し立て、甲府地裁は今年1月に別荘の転貸などを承諾することを県に命じる仮処分決定を下しました。
知事はこの仮処分決定は受け入れられないとして、甲府地裁に仮処分の『保全異議申し立て』を行ないましたが、冒頭の新聞記事にあったように甲府地裁は、仮処分は有効であるとして、県の訴えを棄却しました。
異議申立てに4,700万円 全体では2億8千万円の係争費用
保全異議申立てのための裁判費用については今年3月、県議会2月定例会中に追加の補正予算案として提出されました。その額は約4700万円(代理人弁護士への着手金)。3月5日の県議会本会議では、日本共産党から菅野幹子県議が多額の着手金が必要になることや、弁護士費用の算定内容が不明であることなどを指摘し反対討論を行ないました。
討論には計8名が登壇。反対討論は菅野県議の他3名が行ない、賛成討論は自民党の会派から南アルプス市選出の2名を含む4名が行ないました。採決の結果は日本共産党など8名が反対しましたが、賛成多数で可決しました。県は大手の弁護士事務所に相談し、異議申し立てで県の主張が認められる可能性が大いにあると説明していましたが、結局その主張は棄却されたわけです。県とそれに賛成した議員の責任は重大です。
9月2日の記者会見で知事は東京高裁への保全抗告も検討していると表明。そうなれば更に裁判費用がかかります。県有地裁判についてはこの他に、県が承諾を認めないことにより損害が生じているとして、富士急行側から損害賠償請求訴訟が起こされ、県も応訴し係争中です。これまでにかかった県有地をめぐる裁判費用は総額約2億8千万円(下表)。多額の県民の税金を使い係争を続ける姿勢が問われています。
*これまでの詳しい経過や県有地問題の解決の方向については、今年4月6日付け活動報告でも紹介しています。合わせてご覧ください。→ 【山中湖畔県有地】裁判費用に既に2億8千万円超を支出。今、何が問題になっているのか – 名取泰 公式ホームページ



