山梨県議会2月定例会 実現に向けて動き出した課題
山梨県議会2月定例会では本会議での一般質問を行ないました。その中で、都市部との賃金格差を解消するために、全国一律の最低賃金制度を国に要請すべきだと求めたのに対し、知事が「国に対して議論を喚起していく」と答弁し、これまでよりも一歩前進しました。
また、昨年、県立高校や特別支援学校の屋内運動場(体育館)の視察を行ない、気化式冷風機ではなくエアコンの設置を求めてきましたが、県も気化式冷風機の効果は限定的だと認め、特別支援学校の体育館へエアコンを設置する計画を示しました。その他の県立高校についても特別支援学校への設置後に順次進めるとしています。
これらは県民の世論が県政を動かしたものだと思います。同時にこれらの課題を更に進めるために、中小企業などへの賃上げ直接支援金の実施。そして、県立高校の体育館のエアコン設置の計画を早めるように引き続き求めていきたいと思います。

県の公共交通政策の問題点
県の公共交通政策をめぐる税金の使い方についても取り上げました。以下、詳しくお伝えします。
県はリニア中央新幹線の開業を前提に、富士トラム構想をはじめ、空飛ぶクルマや空港整備などの次世代型交通の検討をすすめていますが、いずれの政策も実現のめどは立っていません。そもそも、交通インフラとして一般化していないものを、行政サービスの手段として検討することは、事業費の使い方として問題だと考えます。
富士山登山鉄道構想を断念して打ち出した富士トラムは、国内メーカーからの車両調達のめどが立たず、計画していた中国製車両を使ったデモ走行も延期。代わりにヨーロッパの会社に、これから車両の開発を働きかけるという状況です。車両の調達さえできるかもわからないのに、知事はトラムの事業会社をつくると言っています。実現の目途もないのに、先へ先へと税金を費やすようなことはやめるべきです。
実現の目途のない事業の検討費に5億円超
これまでの、富士山登山鉄道構想、富士トラム構想、空飛ぶクルマ、空港整備の検討費用だけでも毎年1億円以上をかけ、7年度までの累計は約3億5千万円です。さらに8年度予算まで含めると5億円を超えます(下図)。実現の目途もない事業の検討ではなく、その分をもっと県民の暮らしに使うべきです。
一方で、県内の多くの市町村が交通弱者のための地域公共交通の整備に取り組んでいます。その多くは市町村内をきめ細かく走るコミュニティバスや、タクシーなどを利用したデマンド交通ですが、県として、こうした市町村の取り組みをもっと手厚く支援すべきです。また、より広範囲な県民の移動を支援するために、市町村間を結ぶ路線バスや鉄道を維持・充実すること。市町村内の公共交通が他の市町村へ越境することや、乗り継げるようにすることについても、県が支援・仲介する必要があります。
私も「市外の総合病院に行くのに、本数が少なく、時間が合わない」「料金が高くなる」という声を伺っていることを紹介し、取り組みの充実を求めました。
一方で身近な公共交通支援の予算は減少傾向
では、地域公共交通を維持するための県の財政支援の状況はどうなっているでしょうか。山梨県の「バス路線対策費」の推移をみると、「赤字バス路線対策費」「生活バス路線維持補助金」「市町村自主運営バス補助金」の3つの補助金の合計額が、年々減ってきているのが実態です(下図)。これらの補助金はバス路線の赤字分を補填するものですが、県は「赤字が減ってきているから、補助額も減ってきている」と説明します。しかし、それならば、補助金の交付要綱を改定して補助額や補助対象を拡大したらいいと思います。山形県鶴岡市では、利用者数の減少に合わせて路線の廃止や減便をするのでなく、増便と停留所の増設で利便性を向上させ、利用者数を3倍に増やしたそうです。「赤字分を補助する」という“待ちの姿勢”ではなく、鶴岡市のような“攻めの姿勢”で、地域の公共交通の充実に取り組むように質問では求めました。
トラムや空飛ぶクルマの検討費用にお金をかけるのではなく、今、住民に求められている路線バスなどの地域公共交通の充実にこそ支援すべきです。

