山梨県の山中湖を見下ろす北富士演習場で5月15日から24日まで、米軍沖縄基地所属の米海兵隊による155ミリ榴弾砲(りゅう弾砲)の実弾射撃訓練が行われるということで、訓練の中止を求める県民集会に参加しました。県民の会に参加された個人・団体の皆さんは24日まで昼夜問わず交代で監視活動を行ないます。
この米海兵隊は「第12海兵沿岸連隊第3大隊」の名称で、中国の艦船や兵員を想定した訓練を行なっており、日本を防衛する任務はありません。今、北富士演習場は米陸軍、海兵隊がインド太平洋地域などアジアでの軍事行動を想定した訓練場となっています。そして、これまでもお伝えしてきた甲府盆地上空での空中給油訓練や各地での低空飛行訓練も、その一環となっています。
世界遺産の富士山を撃つな!
ご存じのように富士山は世界文化遺産に登録された「平和」を象徴する山です。その山肌に実弾を打ち込むことは許せません。また、富士山の抱える自然環境、オーバーツーリズムなどの対策が求められている時に、実弾訓練こそ最大の環境破壊ではないでしょうか。北富士演習場の使用には県知事の許可が必要です。知事は使用協定を破棄し、北富士演習場の全面返還を求めるべきです。
1発あたり135万円
日本政府は一昨年末の安保三文書改定以来、大軍拡や戦闘機の開発・輸出解禁など、“戦争する国づくり”を突き進んでいます。また、山梨県も今年度予算に「航空宇宙防衛関連産業参入支援事業費」を盛り込みました。成長が見込まれる分野へ、県内中小企業の参入を支援するとしていますが、県議会の委員会でも「5年間で43兆円規模の予算が計画される成長産業」と答弁がされるなど、まさに政府の大軍拡に乗っかっていく考えです。
今回の訓練で使用される実弾の価格を市民団体の皆さんが試算してくれました。1発あたり約135万円とのこと。前回の訓練並みに約2千発を撃てば総額で27億円にもなります。「そのお金を物価高騰対策に回してほしい…」と皆さんが感じることだと思います。
今、ロシアによるウクライナ侵略やイスラエルによるパレスチナ・ガザへの侵攻に対して世界中で批判の声が広がっています。合わせて軍事対軍事でなく外交の力で戦争を起こさせない取り組みが東南アジアを中心に広がっています。平和憲法を持つ日本こそ、その立場で行動することが必要です。