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【県知事の政治資金をめぐる問題を追及】日本共産党の山梨県議会一般質問  

2月28日に行なわれた山梨県議会2月定例会での日本共産党の一般質問の内、知事の政治資金をめぐる問題についての部分の要旨を紹介します。(以下の図は質問で使用したパネルです。)

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名取泰県議 1月20日、知事は自らが代表を務める政治資金管理団体「日本金融経済研究フォーラム21」の政治資金収支報告書で、令和元年に「自民党二階派=志帥会」から現金で受け取った1182万円について不記載になっていたことを明らかにした。そして、この現金は「預かり金」との認識で、金庫に保管していたと説明した。これに対し県民からは「1千万円を超える現金をずっと金庫に保管とは信じられない」「忘れてましたで済む話ではない」など疑念の声が寄せられている。今日の一般質問を通じて、県民の疑念にしっかりと答えていただきたい。

「いつ、どこで、誰が、誰から、どんな名目で」受け取ったのか

名取県議 知事の関係する政治資金の流れをパネル(上図)にしたので、これを基に質問を行なう。まず図の①の派閥からのキックバックについて、志帥会から令和元年に受け取った1182万円の現金は「いつ」「どこで」「誰が」「誰から」「どういう名目で」受け取ったものか説明を求める。

長崎幸太郎知事 志帥会の1182万円に関しては、志帥会のパーティー券の売の全額を志帥会に納入し、志帥会でその全額を収支報告書に記載しているものと承知をしている。その内ノルマ超過分の一部を取り扱いの方針が未確定なものとして、2019年8月に志帥会から受け取ったものである。説明責任に関しては、いち早くこの旨を記者の皆さんを通じ、県民の皆様に説明をしており、可能な限りの説明はしていると認識をしている。

名取県議 「どこで」「誰が」「誰から」「どういう名目で」、この部分がまだ答えがなかったが。

長崎知事 今、指摘の点については、個別の公訴案件に関わることであり、回答は差し控えなければならないと考える。

裏金づくりに協力した認識は

名取県議 知事は一昨日の県議会答弁で1182万円について、志帥会から預り金として保管するように指示があったと答弁したが、これはいつのことか。その際、志帥会からは収支報告書に記載しないように依頼されたか。

長崎知事 それは2019年8月に志帥会から受け取った時点で指示があったものだと承知をしている。それ以上の詳細については、個別の公訴案件に関わることであり、回答は差し控える。

名取県議 志帥会から現金で保管するように指示され、それに従ったということは、実在する政治資金をオモテに出さず隠した。つまり志帥会の裏金づくりに協力したということになるが、そうした認識はあるか。

長崎知事 ご指摘の件については、すべて志帥会において収入として掲示されているものであり裏金になるものではないと考えている。

名取県議 確認するが、この他に収支報告書に記載していないお金はないか。

長崎知事 これまでのところ私どもにおいては、そのようなものはないものと承知をしている。

自身もパーティー券で5千万円の売り上げ

名取県議 次に図の②の部分。知事が代表を務める政治資金管理団体は、政治資金パーティーを開催し、ここ数年は毎年4千万~5千万円のパーティー券を売り上げているが、企業・団体や県内の市町村長に購入してもらったケースをあったか。またこうした政治資金パーティーは自粛すべきと考えるが、どうか。

長崎知事 私の政治資金パーティーに関しては政治資金規制法の規定により、この法律に定められた額を超えるものについては収支報告書で氏名などを公開しており、企業団体なども含まれている。なお政治資金パーティーについては、今国会を含め、自民党内も更に適正化が検討されていると承知しており、様々な点を考えがた上で実施を判断する必要があるものと考えている。

県の仕事を請け負う業者もパーティー券を購入

名取県議 令和4年9月と10月に「長崎幸太郎知事と語る会」の名称でパーティーを開催しているが、同じ年の9月に山梨県建設業協会の常任理事会の議題に、「『長崎幸太郎知事と語る会』チケット配布購入依頼について」との記載がある。県の公共事業を請け負う建設業者の団体に対して、パーティー券の購入を依頼することは、適切でないと考えるが、答弁を求める。

長崎知事 パーティー券の販売、購入の依頼、その他については、法律に基づき適正に処理がされている。

名取県議 令和4年の知事の政治資金パーティーは利益率95%だ。つまりパーティー券を買った側はほとんど対価がない。これが事実上の企業団体献金と言われるゆえんだ。しかも、県と利害関係のある企業や団体に買ってもらっていれば、行政の公平性に疑念が生まれるではないか。そうした認識はないのか。

長崎知事 行政は常に公平公正に行っており、政治資金のパーティーに関しては、法律に基づき適正に処理している。

市町村長が公費でパーティー券を購入している例も

名取県議 これほど、政治資金パーティーの問題が大きくなっている時に、知事の認識は甘いと思う。次に県内のいくつかの市の市長交際費を見ると、「長崎幸太郎知事と語る会」として1回1万円ずつの支出がある。知事はこうした県内の市町村長にもパーティー券の購入を依頼しているのか。また、交際費という公費で購入してもらっていることは問題ではないか。

長崎知事 パーティー券の購入者は、政治資金規正法の規定に定められた額を超えるものについて収支報告書に氏名などを公開している。またパーティーそれ自体は政治資金規制法にのっとり適正に処理をしている。

名取県議 お答えいただいていない。市町村長にも購入を依頼してるのか。

長崎知事 私自身は直接依頼はしていないが、どなたか関係する方がお話を持っていってる可能性はあろうかとも思う。

名取県議 もう一点、交際費という公費で購入してもらっていることは問題ではないか。

長崎知事 政治資金パーティーのパーティー券の購入、あるいは販売については、政治資金規制法にのっとり、適正に対応している。法に定める適正な方法でやってる以上何ら問題はない。

政治資金パーティーは自粛せよ

名取県議 指摘したようにパーティー券購入は、事実上の企業団体献金になっている可能性や公金が使用されているなど、様々な問題を含んでいる。県行政の長として強力な権限を持つ知事は、やはり政治資金パーティーを自粛すべきと考えるが、答弁を求める。

長崎知事 事実上の云々というのは、まさに議員の感想であり、政治資金パーティーについては、法に定められた、規定に基づき適正処理してる以上は問題はないと私は考えている。ただ、いずれにしても様々な点を考慮し実施を判断する必要はあると考えている。

県内の自民党支部に独自に交付金を支出

名取県議 次に図の③の部分。令和4年12月にだけ、知事が代表を務める「自由民主党山梨県ふるさと創生支部」から、県内の55の自民党支部に交付金として総額1170万円が交付されている。この年だけ、どういう目的で交付したのか説明を求める。

長崎知事 県内の自民党支部の交付金については、地域における党勢拡大のために支出したものである。

名取県議 同じ年、自民党山梨県連からも県内の支部に交付金が支出されている。それとは別に、知事が代表を務める支部からも交付金を出している例は、他県ではあまり見当たらない。この仕組みをつくった目的は何か。

長崎知事 同年の交付金については、県内の自民党支部が所管する地域における党勢拡大のために支出したもので、県連の支出に関して、私どもが答える立場にはない。

名取県議 この55支部以外に交付金を交付していない支部もあるようだが、それはなぜか。

長崎知事 ここについては事実の確認が必要となってくるが、今資料その他情報を持っていない。

名取県議 今日の質疑で疑念が解消されたとは言えない。今後も県議会やマスコミ、そしてなにより県民に対して丁寧な説明をしっかりとおこなっていくことを求める。

*一般質問に続けて、日本共産党の菅野幹子県議が関連質問を行ないました。その要旨をお伝えします。

現金を金庫に保管していれば課税対象になる

菅野幹子県議 現在、確定申告の真っ最中で、知事の政治資金をめぐる問題に対して「真面目に税金を納めることがばからしい」と怒りの声が広がっている。一般的に1千万円もの現金を5年間も保管していれば、課税対象になると思うが、知事の1182万円も同じではないか。

長崎知事 金額すべてを政治資金収支報告書に記載をしており、いわゆる裏金とは異なる。また繰越金として記載をしていることから、課税対象になるような資金とは異なるものだと考えている。

菅野県議 金庫に1千万円ものお金を保管していること自体が問題だと思わないことがおかしい。何のために預かるのか、その趣旨を確認しなかったのか、そこを説明しない限り県民は納得しない。この場で説明してほしい。

長崎知事 保管自体は何ら問題はないと思うが、処理方針を示してもらうべく、本来であれば積極的に働きかけるべきであった。 その積極性を欠いていた点に関しては深く反省をするところである。

知事自らの政治責任が問われている

菅野県議 知事は12月議会で私の質問に対して、「すべてのお金の流れを詳らか(つまびらか)にすることが政治の責任だ」と答弁した。しかし、その後二度も不記載が発覚した。知事の言う「政治の責任」が問われる事態だ。どのように政治責任を果たすのか。

長崎知事 政治責任については、今後、政治資金の透明性を確保し、政治資金規制法の運用を厳格かつ保守的に、専門家のアドバイスもいただきながら、疑いを抱かれないようにしっかりと取り組むことにより、果たして参りたい。  

(以上の内容を含む県議会一般質問の内容を動画でご覧いただけます。こちらから県議会のホームページへ移動します→ 山梨県議会インターネット中継-録画配信 (jfit.co.jp) )

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