山梨県議会12月定例会、日本共産党から菅野幹子県議が一般質問に立ち、私も続けて会派の関連質問を行ないました。菅野県議は質問の冒頭にイスラエル軍がパレスチナ・ガザへの大規模攻撃を続けていることを批判し、国際社会が即時停戦に向けて全力を尽くすことを表明しました。そして、11項目に渡って質問。その主な内容をお伝えします。
物価高騰対策、介護事業所への賃上げ支援継続を
物価高騰対策では、9月議会に続き知事が所信表明で県民の暮らしへの影響について言及しなかったことを指摘し、医療・介護施設への支援や農家への支援を求めました。答弁では国の補正予算成立を受けて、物価高騰対策を含む追加の補正予算を12月議会中に提案すること。医療・介護、農家などへの支援についても検討する旨の回答でした。そしてコロナ渦で中小・小規模事業者へ行なわれたいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化しているもとで、返済による経営危機をうまないための対応を求めたのに対しては、県として「金融機関に返済期間の延長を求める」との答弁にとどまりました。
介護保険についての質問では来年度の保険改定を前に、制度スタート以来保険料が2倍になってきたこと、更に政府が利用料2割負担の対象を拡大しようとしていることなど問題点を指摘し、県として県民の立場で来年度の計画策定を行なうことを求めました。そして、切実となっている介護人材確保のためにも、今年6月議会で予算化した賃上げ支援金の申請状況を確認すると、現在まで予算比で約8割の申請があったことが示されました。以前にもお伝えしたようにこの支援金は周知が不十分で、期限間近でも制度を知らない事業者も多かったことから、申請期限の延長を求めて延長されたいた経緯があります。合わせて継続支援を行なうように求め、検討したいとの答弁を得ました。
学校給食費の無償化についても日本共産党として毎議会取り上げています。今回は、保護者のお母さん方を中心に結成された、全県で『学校給食無料にしよ~よ』の会の皆さんが、先日県に提出したアンケート結果を紹介。「給食は教育の一環なので無償にすべき」「県内で(給食費が無料と有料で)地域差があるのはおかしい。無料で統一してほしい」などの声を届けました。答弁では「給食費については市町村の判断」「県として給食費無償化に向けた支援について現在検討している」というこれまでの姿勢を繰り返しました。私は関連質問で「検討しているというなら、全県で給食費無償化を行なう場合の費用も当然試算しているはず。それを示せ」と迫りましたが、試算は示されませんでした。無償化についての検討の本気度が問われます。
看護学生・医学生の奨学金制度について
看護学生・医学生の奨学金制度について看護学生奨学金については、県内で看護師として働いた場合に県が奨学金返済を免除する制度ですが、ある養成校では奨学金を要請した学生の内、9人が奨学金を受けられなかった実態を基に質問しました。昨年度の実績を確認すると申請者数146人に対して受理されたのが117人とのこと。学校ごとの県内就職の実績などいくつかの基準で判断し「予算の範囲内で決定している」と答弁で、基準が明確でないのが実態です。看護師不足も深刻です。看護師になることを希望し学んでいる学生にはみんな県内で働いてもらえるように、基準の明確化と予算の拡充を求めていきたいと思います。
地域枠の医学生を確保するための奨学金制度について、県が高額な違約金条項を設けていることに消費者団体が条項の削除を求める訴訟を起こしたことが報じられています。これを受けて「違約金として最大で2340万円を一括返済せよなどの条件を設けているのは全国で山梨県だけだ。人道にも反する違約金条項は撤回すべきだ」と迫りました。しかし、知事は「違約金の中身は極めて妥当なもの」「撤回するつもりはない」と強弁しました。また裁判に発展する見込みです。
県の会計年度任用職員は2千人超、6割が女性
会計年度任用職員は地方自治体の非正規労働者ですが、今やその割合は職場によっては正規職員を上回るところもあります。菅野県議が県庁の会計年度任用職員数と男女比を確認すると、すでに2千人を超えており、約4対6で女性が多いことがわかりました。今回、会計年度任用職員にも勤勉手当を支給する条例改正案が提出されていますが、支給は来年4月からとなっています。さらにその給与改定を正規職員に準じて今年4月まで遡って適応するように、総務省も人事委員会も求めていることを示して実現を迫りました。総務部長からは「現在検討しており、早急に結論を出す」との答弁がありました。
(続けて◎中部横断道長坂~八千穂区間の整備について、◎富士山登山鉄道構想について、◎米軍機の県内上空での訓練について、◎県有地をめぐる問題についての質問を行ないました。)
政治資金パーティーめぐり知事の姿勢質す
最後に、いま国政を揺るがしている「政治資金パーティー」について知事の政治姿勢を質しました。長崎幸太郎山梨県知事は二階派(志帥会)に所属しています。知事側と志帥会側の政治資金収支報告書を確認すると、知事の政治資金管理団体には毎年志帥会から1,000万円を超える寄付があります。国会議員や他の団体に比べても桁違いの多さです。菅野県議は「これはいわゆるキックバックか」「どんなルールになっているのか」と質問。長崎知事は「一定のノルマがあらかじめ割り当てられ、ノルマを上回る部分について後日寄付というかたちで政治団体に戻ってくることになっている」と認めました。さらに知事自身も政治資金パーティーを毎年開催し、昨年は5,180万円を集め、パーティー開催費用は240万円です。私は関連質問でこの実態について「パーティー券の大半が企業・団体に購入され、事実上の企業・団体献金となることから、行政がゆがめられる可能性がある」「パーティー券を企業・団体を通じて購入してもらっているのか、購入した企業が県の公共事業や業務委託を受注した実態はあったのか、全容を明らかにする必要がある」「県行政の長として強力な権限を持つ知事はこうした政治資金パーティーを行なうべきでない」と求めました。長崎知事は「収支報告書に記載している」「事務所の運営にとって重要なので引き続きおこなっていく」と答弁しました。パーティー券を5000万円以上を売り上げるというのも国会議員に比しても大きな金額です。企業との関係性を含めて全容を明らかにするとともに、パーティーそのものの中止を求めていきたいと思います。