モモ、スモモ、ブドウ・・・、山梨県内は今果樹の出荷で忙しい時期を迎えています。こうした中、日本共産党県議団(名取泰県議、菅野幹子県議)では県内のJAを訪問し懇談を行なわせていただきました。
大風による傷被害 出荷方法で工夫し対応
7月24日は私の地元、JA南アルプス市へ伺い役員の皆さんと懇談しました。懇談には松野昇平南アルプス市議も同行しました。南アルプス市では今年5月に台風並みの大風が吹き、大きくなり始めたモモやスモモの実に傷がつく被害が広がっています。その状況についてJAでは実態をつかむとともに、なるべく青果としての出荷ができるように営農指導を行なっていただいています。傷はあっても中身が傷んでいるのではなく、食べても味に違いはありません。出荷の際の等級を細分化し、市場に乗る工夫をしているとのことです。
特産品種の拡大へ補助を
また、一昨年に突如、アメリカ産スモモの輸入が解禁され、後になってそのことが知らされるという問題が発生。南アルプス市は全国一のスモモの産地、農家の声を集めてJAも市も農水省に抗議し後追いで説明会が開催されるという経緯がありました。これについては、市内特産の「貴陽」「皇寿」といった新しい品種を広げ、輸入スモモとの差別化と市場拡大を進めようとしています。一方でこうした品種は鳥害や雨割れなどの影響を受けやすいことから、ネットをかけたりビニール屋根で覆う施設栽培が求められます。行政としてこうした施設設置への支援をさらに強めてほしいとの要望をいただきました。
ブドウの黒とう病が心配
7月28日はJAフルーツ山梨に伺いました。懇談には糠信平山梨市議、佐藤浩美甲州市議が同行しました。山梨市や甲州市などを含む峡東地域は、世界農業遺産にも登録されているブドウ栽培の主力地域、もちろん生産量も日本一です。近年ではご存じの「シャインマスカット」が注目されていますが、ブドウの黒とう病が心配されています。これはブドウの枝や葉そして房にも黒い(茶色い)斑点のようなものが出るものです。
黒とう病の原因について、JAの担当者の方は、今年6月2、3日の台風による大雨が引き金になったのではないかと説明してくれました。気温が20~25度で菌が活性化し、雨滴によって伝染するので、これらの条件がちょうどこの台風の頃に当てはまっていたとのことです。今は高温・乾燥で一旦治まっているものの、出荷が盛んとなる秋口には気温が下がり、秋雨が続くと再び感染が広がる可能性があるとのことです。まだブドウの房に袋がかけてある状態のため、感染状況がわかりませんが、出荷期に袋をとった時が心配されます。
雨除け施設や予防剤への補助を
対策として伝染源となる部位の除去や定期的な防除、風通しが良くなるような棚の管理、冬季の剪定の徹底などをよびかけています。そして現在広がりつつある、かまぼこ型の雨除け屋根の設置や治療剤の開発、そして冬季の予防剤散布への補助拡大など、行政への要望もいただきました。
先ほどのスモモへの支援とも合わせて、これらを県行政へ求めていきたいと思います。